白石雄大独自の演技メソッド
演技を教えるうえでまず始めに「その人は”どんな歩き方をして、どんな話し方をする”のかな?」
と子供達に考えてもらっています。
「この人はどんな性格かな?」という直接的な問いを投げかけることはありません。
それは何故でしょう?
”性格”は「その人を誰が見るか?」で変わってしまうものだと考えているからです。
例えば、Aさんという人は仕事の上司に「頼れる部下」だと思われているとします。
しかしAさんの部下からは「パワハラ気質の上司」だと思われているかもしれません。
娘には「優しいパパ」ですが、奥さんには「何度言っても靴下を裏返しのまま洗濯に出す人」かもしれません。
このように人は相手によって多少なりとも態度を変えていて、その上相手にどのような性格の人として映っているかは計り知れないのです。
つまり、演じている人の性格は演者が決めるものではなく、舞台を見ているお客さんが好き勝手に想像し楽しむもの。
だからまずは”性格”より”歩き方や話し方”を具体的に想像してみる。
そして、実際に演じてみて何を感じるのかを大切にして、演技を学んでもらってます。
実際のレッスンを通して子供達は”人”を多面体に考える経験をします。
このような経験は子供達の豊かな心を育てる手助けになると実感しています。